翻訳者からインバウンドガイドへ
お久しぶりです!
しばらく更新していませんでしたが、去年は私にとって激動の年で、考えることや行動したいことが多すぎて頭パンパン、スケジュールもパンパンでした。
それが少し落ち着き、まだまだ不透明な毎日とはいえ多少は今後の見通しがついてきたので、去年から今年にかけての変化(キャリアチェンジ)について書いてみます。

結婚を機に在宅フリーランス翻訳者として働き始めて20年。業務の一環として翻訳をしていた会社員の頃から合算すると約25年になります。
翻訳者というのは社会的意義のある仕事だし、学んだ英語を活かせるし、20代から始めているので多くの方々のお世話になり、勉強させていただいたり、おいしいご飯をご一緒したりしてありがたいことに人間関係も作ることができました。
でも、私が働き始めた頃と比べて(語学力が必要なことは変わりませんが)必要とされるITスキルが変わり、さまざまなツールやシステムに対応する必要が出てきました。
私が取引している会社は(今どきはどこもそうでしょうが)セキュリティに厳しく、年々、ログインなどの認証工程が複雑になっています。二重認証などアカウントやパスワードはさまざまな場面で求められますし、翻訳作業はオンライン上で行うため、そのソフトウェア(翻訳ツール)の使い方も覚える必要があります。一つクリアしてもしばらく経つとアップデートがあったり、新たなツールに変わったり増えたりして、再度学習が必要になります。現在のところは対応できているものの、人生100年時代の中で60代、70代になってもこの業界で働けるのか、そもそも働きたいのかと自問したときに、もっとアナログな、人と接する仕事にシフトしたいと思ったのでした。

世間ではAIの影響で人の翻訳が必要無くなるのではないかといった懸念があるようですが、個人的にはそのようなことはないと思いますし、私がキャリアチェンジを考えた理由ではありません。
私は20年程度ですが30年、40年と長きにわたって翻訳業に携わっている方も多く、また、新たに翻訳者となる若い方々もいて、やる気のある方にはまだまだ活躍の場がある仕事だと思います。人間に訳してほしいという需要は今後も残り続けるはず。

私の場合は結婚に伴う田舎への転居がきっかけで、せっかく学んだ英語を使える仕事が他に見つからなかったという、ある意味消去法で翻訳業を選んだという経緯もあり、小さい頃から翻訳者に憧れて夢を叶えたタイプではありません。
翻訳以外に何かできることがあれば……と以前からぼんやりと思いながら翻訳者を続けていたのですが、昨年、たまたま知り合いからの紹介があり、インバウンド(訪日観光客)向けのツアーガイドをやってみることにしました。
ずっと英語に関わる仕事をしてきたとはいえ、特にここ数年は英日翻訳者だったので、英語はほぼ読む専門。語彙力は上がっていてもスピーキングやリスニングについてはこの20年間、ほとんど必要となる機会がなかったので、英会話の学び直しが必要でした。
また、名所旧跡の歴史や由来について詳しいわけではなく、これについては一からの勉強が必要でした。

去年から勉強を始め、少しずつ仕事をもらえるようになってきました。経験豊富なベテランに比べるとまだ差は明らかで、毎回不安と戦っています。英語も舌がなまっているので苦労しています。
でも直接お客さんに会えて、会話ができて、反応を肌で感じられるというのは在宅翻訳者をしていて得られる経験ではないので、それがとにかくおもしろく、怖いけど楽しいです!
ゲストとつながるためにSNSは使いますが、実際に案内する際にPCは不要。翻訳でストレスに思っていたシステムやツールの対応もありません。少し調べてみると、70代のツアーガイドは普通だし、80代のガイドも珍しくないそうです。

もちろん年齢とともに働く時間や日数は減っていくと思いますが、そのような調整をしやすいのもこの仕事の魅力(これについてはフリーランス翻訳者も同様ですね)。
翻訳作業でパソコン画面を見続けていたせいか、ここ数年はドライアイの診断が出て、目薬を日に何度もさすように言われています。でも、ガイド業ではパソコンを見る時間が減り、座りっぱなしの時間が減って1日の平均歩数が2倍程度になったので健康にもよさそうです。
平均寿命を考えるとあと20~30年は働くことになりそうなので、今の時点で次のステージにシフトしておくのは悪くないタイミングだと思っています。

そして、たまたま京都人と結婚して京都に住んでいます。結婚当初はそこまでではありませんでしたが、今は世界中から観光客が訪れる地となっています。京都市に住んでいるわけではないのですが、通える範囲なのでせっかくならこの環境を活かしたい。
以前は外国人を案内する場合、通訳案内士という難関の国家資格が必要でしたが、法改正により資格取得は任意となりました。資格がなくても合法的に海外からのゲストを案内することができ、また、旅行会社を通さなくてもゲストとSNSなどで直接つながることができる時代になりました。

現在は京都市の中心部にある名所を、数人単位の個人客に数時間案内するツアーをしています。
京都に住むガイドが案内することで、旅をもっと楽しく、もっとスムーズにできたらいいなと思います!
また、日本の地元民が観光客を温かく迎え入れられるような状態を作る一助となれればうれしい。たとえば観光客が一部の路線に集中して住民がバスに乗りにくいといった状況が局所的に発生しているので、負荷の軽減の役に立てればいいなと思います。
その一環として、将来的にはできればあまり観光客に知られていない場所に案内することで、オーバーツーリズムの緩和だけでなく、地方活性化の一助になることができればもっとうれしいなと思っています。

インバウンドガイドという新たな道が気に入ったので、今のところ翻訳業を以前のようにフルタイムでする予定はありません(コロナ禍のような、訪日観光客が消える状況になれば戻ってくるかもしれませんが)。
でも私がガイドの仕事をすることで翻訳を通じて繋がった方々とのお付き合いがなくなるのはさみしい! 勝手な話ですが少なくとも翻訳を続けている間は(できればずっと)これからもつながっていただければうれしいなと思います。
今後、このブログでは京都の観光情報をメインに日常を綴っていきたいと思います。海外ゲスト向けの案内ページは英語ですが、ブログは自分が素早く書ける日本語でこれからも続けていくつもりです! よかったらまた読みにきてください。


